ケニア国連大使のメッセージ

国連 日常

ウクライナ危機に挑む国連大使の言葉

ロシアがウクライナに軍事侵攻する可能性のニュースが2月の初旬からあり、北京オリンピックの閉会時期と重なるあたりに危機が高まる報道がされていました。

私としましては、なんとなくですが気持ちが沈んでしまい、小さな眼鏡店のブログを明るい気持ちで書くことが出来ず、2月中は投稿を控えておりました。

現在、世界の平和を愛する多くの皆様の期待は裏切られ、ロシアはウクライナに軍事侵攻をしてしまいました。

誠に残念なニュースが毎日流れており、これ以上の犠牲が発生する前に一日も早い平和的な解決がなされることを、こころから待ちたいと思っております。

YouTube

私は手の空いた時間に、よく「YouTube」を観ます。

ジャンルは様々ですが最近のお気に入りは・・・

「テレ東BIZ」です。

このチャンネルは「テレビ東京」さんがご提供されているのですが、国内、海外、問わずニュースの詳しい解説や深堀りした内容を発信してくださっています。

その中でも、「テレビ東京 豊島晋作のワールドポリティクス」というコーナーがあり、毎回大きな気づきを頂いています。

今回はこのワールドポリティクスの中で紹介された、アフリカ・ケニアの国連大使の国連でのスピーチが、とても素晴らしい内容でありましたので、ここにご紹介させていただきます。

スピーチ

以下の内容は、ケニア共和国「マーティン・キマニ国連大使」のスピーチを書き起こした内容になります。

スピーチは、2022年2月22日に行われました。

今回の事態は私たちアフリカの歴史を思い出させます。

ケニアや、ほとんどのアフリカ諸国は、帝国の時代の終わりに生まれました。

私たちアフリカ諸国の国境は、自分で引いたのではありません。

ロンドンやパリ、そしてリスボンなど植民地を支配した国の首都で引かれました。

引き裂かれた国々への配慮などありませんでした。

今はすべてのアフリカ諸国の国境を越えて、深い歴史と文化、そして言語が共有されています。

アフリカ諸国が独立国になったとき、もし民族や人種や宗教の同質性に固執していたら、人々が血を流す戦争が今でも続いていたでしょう。

しかし私たちはそうしませんでした。

受け継いだ国境を受け入れたのです。

政治的、経済的そして法的な統合を目指すことにしたのです。

危険なノスタルジアに基づいて過去を振り返ってばかりの国をつくることはせず、多くの国や人々がまだ知らない ≪もっと偉大なもの≫ を目指すと決めたのです。

私たちは、アフリカ統一機構の規則や国連憲章に従うと決めたのです。

国境に満足しているからではなく ≪平和の中で生まれる偉大な何か≫ のためです。

かつての滅びた帝国に起源を持つ国々では、人々が帝国時代を思い出して、隣国との統合を求めて声を上げることがあります。

これは十分理解できます。

かつての ≪兄弟たち≫ と一緒になって、同じ目的を持ちたくない人などいません。

しかしケニアは、武力によって、そうした願いを叶えることに反対します。

私たちは、人々を支配したり抑圧することはせずに、滅びた帝国の残り火から自らの国を回復させなければなりません。

民族主義や自国拡張主義は、いかなる場合でも拒否すべきです。

民族的、人種的、宗教的、あるいは文化的な理由も、明確に拒否すべきです。

ケニアはドネツクとルガンスクの独立承認に、重大な懸念と反対を表明します。

そして過去、数十年における ≪強国≫ の振る舞いも、強く非難します。

国際法を軽視し違反する、安保理の国々も非難します。

≪多国間の協調主義≫ は、今夜、死の淵にあります。

この考え方は、今日もずっと攻撃され、過去も ≪強国≫ に攻撃されてきました。

私たちを、多国間主義を守る規範のもとに再び結集させるよう求めるにあたって、私たちは国連事務総長を一致して支持するべきです。

そして、平和的手段での問題解決に取り組むよう求めるべきです。

ウクライナの国際的に承認された国境と、領土的一体性を尊重するよう求めます。

この動画は、豊島晋作さんの詳しいニュース解説を交えながら進行していくのですが、大変勉強になりますし、また個人的には多くの方に知っていただきたいと思った動画でした。

再生回数も102万回を超えております。 一般に日本国内のTVのニュースでは報じられない内容ですが、一度、YouTubeでご覧になられては如何でしょうか。

ウクライナの皆様も、ロシアの兵士の皆様も、どちらもこれ以上の犠牲が生まれませんように、心より平和を願いたいと思います。

動画のアドレス

ロシアに怒る「アフリカの論理」【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年2月28日) – YouTube

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