ルイ・アームストロング氏の名曲

ジャズ 日常

What a Wonderful World(この素晴らしき世界)

先日、いつものように録画したNHKスペシャルを拝見しておりますと、感動の放送回がございました。

「この素晴(すば)らしき世界 分断と闘ったジャズの聖地」

という番組でした。

世界中を恐怖の渦に巻き込んだ新型コロナウイルスのパンデミックは、世界最高のエンタメ都市であるアメリカのNYにも大きなダメージを与えました。

ジャズの聖地と評されるヴィレッジ・ヴァンガード(ジャズクラブ)でもその渦から免れることは出来ず、長期間の閉鎖が続いた結果、86年の歴史が閉じる危機に直面しました。

( 日本では同じ名前の大手雑貨店が有名ですが、もともとはNYのこちらのジャズクラブが由来のようです。)

しかし ヴィレッジ・ヴァンガードは伝統の灯を消すことなく、空調を中心にした大きな店舗改装を行い、以前にもまして素晴らしいジャズクラブとして復活するのです。

アメリカでは根強い人種差別が現在も一部にあり、その差別によって偏見や、一部には暴力が横行してる現状を番組は描いていました。

2020年、日本人ジャズピアニストの海野雅威さんが、ニューヨーク市内の地下鉄の駅で若者の集団に執拗な暴行を受け、重傷を負い入院するという事件がありました。

新型コロナウイルスが流行する中で、アジア系米国人に対する人種差別的な暴行などの事件が増えた結果でした。

海野さんは日本に帰国し怪我の治療に専念しますが、完治に至る前にニューヨークへ戻ります。

海野さんは「日本は安全で素晴らしい国である」ことを語りながらも、このまま日本に帰りアメリカへ戻らなければ、差別、偏見、暴力に屈したことになってしまう。

だから再びニューヨークに帰り、音楽のちからで偏見や差別から人々を解放し、人間は強く生きていけることを証明しようとされている姿でした。

「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)」

アメリカにはアジア人差別に限らず、黒人に対する根強い差別があることも知られています。

しかしアメリカには「差別はダメだ」という素晴らしい思想と社会もまた、しっかりと存在していることも事実です。

私は今回のNHKスペシャルのなかで数多く流された曲に、深く感動しました。

私もその曲は昔から知っていて、きっとこのブログを読んでくださっている多くの方も、既にご存知の名曲です。

ルイ・アームストロング氏の「 What a Wonderful World 」です。

I see trees of green (緑の木々が見える)

Red roses too (赤い薔薇も)

I see them bloom (咲いているんだ)

For me and you (僕と君のために)

And I think to myself (そして僕はひとり思う)

What a wonderful world (なんて素晴らしい世界なんだ)

I see skies of blue (青い空が見える)

And clouds of white (そして白い雲も)

The bright blessed day (輝き祝福された日)

The dark sacred night (暗く神聖な夜)

And I think to myself  (そして僕はひとり思う)

What a wonderful world (なんて素晴らしい世界なんだ)

The colors of the rainbow (虹の色は)

So pretty in the sky (空では綺麗に見えるけど)

Are also on the faces (通り過ぎる人々の)

Of people going by (表情にも、その美しさがある)

I see friends shaking hands (友達同士が握手してる)

Saying, “How do you do?” (「ごきげんよう」と言いながら)

They’re really saying (彼らは、本当はこう言ってるんだ)

“I love you” (「愛してます」って)

I hear babies cry (赤ちゃんが泣いている)

I watch them grow (この幼い命の成長を見守ろう)

They’ll learn much more (彼らは多くを学ぶだろう)

Than I’ll ever know (僕が知り得る事以上に)

And I think to myself  (そして僕はひとり思う)

What a wonderful world (なんて素晴らしい世界なんだ)

Yes, I think to myself (そうさ 僕はひとり思う)

What a wonderful world (なんて素晴らしい世界なんだ)

ルイ・アームストロング(Louis Armstrong:1901-1971)の「この素晴らしき世界」(What a Wonderful World)は、G・ダグラス(Bob Thiele as George Douglas)とジョージ・デヴィッド・ワイス(George David Weiss)が作詞作曲した1968年のヒット曲です。

沢山の音源がネットに上がっておりますので、是非皆様、コーヒーでも召し上がりながらこの曲を楽しまれてみては如何でしょうか。(Youtube等)

美しい調べのこの曲は、当時の泥沼化したベトナム戦争への嘆きから書かれました。

この曲に関する、素晴らしい考察を書かれていらっしゃる方をご紹介します。

この素晴らしき世界 [歌詞和訳] ルイ・アームストロング:Louis Armstrong – What a wonderful world – マジックトレイン・ブログ (magictrain.biz)

この方は次のような考察をされれおられます。(以下はその方の文章の一部です)

「先ず、この歌がベトナム戦争への嘆きから書かれていることを考えると、この平和な歌詞は悲惨な現実に対するアイロニー(irony)の意味があることを知っておく必要があると思います。」

「世界は美しいのですが、その美しさに目を向けられなくなる現実的な不幸が無くなったときに、この歌はアイロニーではなくなるのです。」

アイロニーとは、日本語にすると「遠回しの非難」なのだそうです。

詳しい解説は是非、リンクのサイトをお読みください。

表面的なメッセージについ目が行ってしまい、その奥にある深いメッセージに想いを馳せることを見落としがちな私にとって、本当に深く感動できる考察が書いてありました。

私たちの住む日本も、また今日からより良い人生を誰もが歩めるよう、皆で努力しなければいけないのかもしれません。

まずは私が襟を正さなくてはなりませんね。

・・・・・・・・・。

そういえば今朝、ご近所さんに大きな声で挨拶をしました。

ご近所さんも笑顔で挨拶を返してくださいました。

気持ちの良い朝でした。

私が始められるのは残念ながらそのあたりからですが、自分のペースで頑張ります。

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