老眼

老眼鏡 メガネ

今日は老眼についてお話いたします。

皆様は「老眼」について、どのようなイメージを持っておられますか?

まず「 老眼(ろうがん)」という言葉の響きがあまり良くありません。これは眼鏡の業界の中でもずいぶん昔から言われていました。

老眼になると老眼鏡をかけなければいけない。(必ずしもそうではないのですが…)

老眼の「老」はイコール「老化」をイメージさせるわけで、どなたであっても避けて通れるものなら避けて通りたいという願望があるわけです。

しかし残念ながら殆どの方が老眼になります。

一言で「老眼」と言いましても様々ご意見がございます。私個人の考えと前置きさせて頂いた上で申し上げますと、「それほどご心配ない」自然なお体の変化であると思っております。

例えば、20歳のころ100mを12秒で走った俊足のAさんという方がいらっしゃるとして、そのAさんが60歳になったら16秒になってしまったとします。

「走るのが遅くなったなぁ」と肩を落とすAさんに、友人のBさんが「もしかして病気じゃないのかい?」と声をかけるでしょうか?

おそらくそんなBさんのような方はいらっしゃらないでしょう。

年齢相応に走る速さが遅くなってしまうのは仕方のない事ですから、いくらトレーニング積んで年齢を重ねたとしても、20歳の時の記録(タイム)を生涯維持することは不可能です。

老眼の症状とはそのようなものですから自然な変化を受け入れていただき、メガネなどの道具を利用しながら生活を楽しまれる方が、お体に無理が無く楽しい日々になるような気がします。

それでは老眼になることとは、どのような現象なのでしょうか?

それは人の眼に備わっている「オートフォーカス機能」が、うまく機能してくれなくなることです。

このあたりから少し細かいお話になるのですが、人の眼は「 正視(自然体で遠くが良く見えている状態)」という眼の方の場合、遠くを見ている時が一番リラックスしている状態になります。
(目に余計な力を入れていない状態と言う意味です)

例えば10m先にものすごく小さな「光源」があった時、人の眼に入ってくる光は限りなく平行な光線として眼に届きます。

10m先に警備員さんがライトを持って立っています。

その光が眼に届くとき、ライトの光は限りなく平行光線に近い状態です。

この時、正視(目が悪くない方)の方は遠くのライトの光をリラックスした状態で快適に見ることが出来ます。
また、逆にリラックス状態の反対、つまり緊張状態(眼に力を入れている状態)とはどのような場合に起こっているのでしょうか。

それは近くを見るときなのです。

遠くが快適に見えている方の場合、近くを見るときには必ずピント調節のための筋肉(毛様体)を眼の中で動かして見ています。

人が頑張って近くの対象物を見ようとしたとき、眼の中にある「水晶体」が膨らみます。
上の図でいいますと、水晶体とは絵の中の水色に塗られた部分です。

あまり細かくご説明しますと、より分かりにくい内容になってしまいますので、ここでは人の眼が水晶体を膨らませることによって、近くのものを見ていると理解していただければ結構です。

それでは光源が人の近く、または眼の近くにあった場合はどうなるでしょうか。

下の図を見てください。

光源が近ければ近いほど、眼に入ってくる光の線は、きつい角度で広がって入っていることがわかります。


つまり上下二段の図の中で、上の図よりも、下の図の方がより光源が眼に近い為、放たれた光がより強く広がって眼に届いていることがわかります。

このことを、光の入射角が広い状態といいます。

前提として「人が良く見えている」状態とは、遠くを見る場合でも近くを見る場合でも、眼の奥の「網膜」という部分に光が集まっている必要があります。
(風景や対象物のピントが合っている…とは、光が網膜にしっかり集まっていることなのです)

しかし入射角が広く入ってきた場合はどうでしょう。

広く入ってきた光は、より遠くに光を結ぼうとして、網膜よりも後ろに光を集めることになります。

しかしそれでは画像がぼやけてしまいますので、人は「水晶体」を膨らませて、しっかり網膜に光を集めているのです。

このことを「調節」といい、その力を「調節力」といいます。

つまり調節とは、水晶体を膨らませることによって、本来なら網膜よりも遠くに集まってしまう光を、しっかり網膜で光を集束できるようにしている筋肉の活動のことです。


人が本を読んだりスマホを見たりしたとき、人の眼は「近くにピントを合わせなくちゃ!」と、人知れず頑張って活動してくれている訳です。

これを調節、分かりやすく言いますと、オートフォーカス機能と言っても良いでしょう。

「老眼」の状態とは、この調節がうまく活動できていない状態なのです。

テーマ・何故調節が衰えるのでしょうか。

それは主に2つの体の変化によるものです。

一つは筋肉の活動が若いころよりも自然に減少してしまうことによるものです。

もう一つは、水晶体の組織自体が「年齢と共に硬くなってしまう」ことによる、体の変化です。

水晶体は近くを見る際のオートフォーカス機能で人を助けてくれているだけではなく、有害な紫外線から網膜を守り、眼の健康に大きな役割を果たしてくれています。

水晶体を包んでいる袋を「水晶体嚢」と言います。

水晶体は簡単にいいますと玉葱の構造に似ています。

全体を水晶体嚢で覆い、中は玉葱のように沢山の層からできています。
中心に進むほど圧縮されており、中心部は「核」と呼ばれる組織が存在します。

玉葱にも層ごとに膜があるように、水晶体にも層状に走る繊維質があります。

これを「水晶体皮質」といいます。

年齢が進むほど水晶体皮質は中央に向かって圧縮され、次第に「核」と呼ばれる硬い組織が生成されることになります。

当然、硬くなった水晶体は弾力性が弱くなり、水晶体の周りで頑張っている筋肉(毛様体)の力が衰えないとしても、ピント調節の能力が減少してしまうことが起こったりします。

結果、水晶体が膨らまない・・・= 老眼の症状が発生する

ということになります。

ここから先は、老眼の度数とはいったい何で決まるのでしょうか?

これを説明しますと、同じくらい長くなってしまいますので、今回はこのあたりでおわります。

次回をお楽しみに!

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