美輪明宏さんのラジオ

ラジオ 日常

とても感動した言葉

お悩み相談

もう何年前か忘れてしまいましたが、ある時、車を運転している時に、民放のラジオ放送から「お悩み相談」のような番組が流れてきました。

確か、平日夜の11時頃だったような気がします。

パーソナリティーは他にいらっしゃって、リスナーさんのお悩みの回答をその時は「美輪明宏」さんが勤めていらっしゃっいました。

リスナーさんの相談とは、メールによれば次のような内容でした。

「初めまして。

私は中学3年生で生徒会長をしています。

私は朝、みんなに「おはよう」と挨拶するのが気持ちよく、また学校の校風にも良いことのように思うので、毎朝早くに登校して学校の正面玄関で、登校してくる全ての生徒に「おはよう」と声をかけています。

しかし「おはよう」と挨拶を返してくれる生徒はあまりに少なく、心が折れそうです。

私はみんなの為にも良いことをしたいと思って朝の挨拶を実行したのですが、どうしてみんなは理解してくれないのでしょうか。

挨拶を返してくれないことに、何か理由はあるのでしょうか?」

という内容でした。

美輪明宏さんは暫くお考えになり、ゆっくりとお話を始められました。

美輪さんの回答

「ラジオネーム、〇〇さん。お便りありがとうございます。

これからお話することは、〇〇さんには、ちょっと嫌な感じがしたり、あなたを少し傷つけてしまうかもしれないけど、ゆっくり落ち着いて聴いてくださいね。

どうして学校で挨拶を返してくる生徒さんが少ないかというと・・・

それは、あなた自身に魅力がないからです。

私はラジオを聴きながら運転していたのですが、「美輪さん!」と、びっくりして声が出てしまいました。

中学3年生のお子さんに対して、ちょっと回答の内容が厳しいのではないですか?、と感じたからです。

美輪明宏さんは、少し間を空けて、ゆっくりお話を続けられました。

「ちょっと意地悪に聴こえたらごめんなさいね。

挨拶を始めたことは、とてもいいことだと思いますよ。でも、もしあなたの学校で、毎朝挨拶をしようと活動を始めたのが、SMAPの木村拓哉さんだったとしたらどうでしょう?

(SMAP全盛期のころだったように思います)

きっとみんなは笑顔で挨拶してくれるのではないですかね。

それでは何故、あなただと挨拶してくれないのでしょうか。それはあなた自身に、あなたを輝かせる魅力が、まだ足りていないからだと私は思います。

あなたは正しいことをしている、みんなに良いことをしている、なのに何故、みんなは私の良い活動に参加してくれないのかと、悩んでおられますね。

それには理由があるのです。

正しいことをするだけでは、人はなかなか賛同してくれないんです

もちろん周りの人に良い影響を与えて、学校や社会を良い方向に導くことはとても正しい事で素晴らしい事です。

しかしそれを行うには順番があるのです。

まずはあなた自身が魅力的な人間になって、周りの生徒さんがみんなあなたを頼りにするような存在に、あなた自身がなる事です。

そおしたら、放っておいたって、みんなあなたの真似をします

だって、キムタクが乗っていたバイクは日本中で流行って、ドラマで着けていた高級時計は、プレミアムが付くほど人気じゃないですか。

みんなキムタクを観て、髪型だって、言葉遣いだって、皆さん、ああなりたいって思うんですもの。

それは何故かと言うと、木村拓哉さんに魅力があるからなんです。

だから今は、〇〇さんは、自分自身を輝かせられるように、まず自分磨きを頑張ってください。

勉強だって、スポーツだって、お笑いみたいな演芸や、バンド活動だっていいじゃないですか。

遠回りをしているようで、本当はそのことが一番、早道なんですよ。

またお手紙をくださいませ。」

私「・・・・・・・・」

まあ、なんといいますか、感動しました。

なるほど、人とはそうなのかもしれない。と、その時思いました。

この放送以来、私は美輪明宏さんを尊敬しています。

綺麗な石になる努力

泥団子のような私ですが、もしかしたら磨けば少し光るかも知れないし、そもそも磨かなかったら光らりません。(当時の感想)

このラジオの美輪さんの回答が、今このブログを読んでいただける方にとって、必ずしも良い回答であるかどうかは、ご意見の分かれるところだと思います。

ですので私は個人的に申し上げます。私には胸に深く残る、とても良い内容のラジオでした。

あのラジオ放送から幾年月、人間的な成長がまったくみられないまま、もうすぐ還暦を迎えようとしている我が身を振り返りますと、なんとも複雑な心境がいたします。

美輪さんのコンサートに行かれた方は、皆さん感動の涙によって、鑑賞できた喜びを感じられるそうです。

しかし残念ながら、私はまだ行ったことがありません。

なんだか毎日、忙しい忙しいと言い訳ばかりしていないで、是非チケットを握りしめて、美輪さんにお目にかかれる日が来ることを目標に頑張りたいと思います。

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