座右の銘

松ぼっくり 日常

皆さんは「座右の銘」をお持ちでしょうか。

先日、ラジオを聴いておりますと、亡き高倉健さんの「座右の銘」を紹介していました。

「自分は・・・、自分は、不器用ですから・・・。」

日本の男性で、ある程度の年齢の方でしたら皆さん「高倉健」さんの映画を見て、一度はかっこいいなあと感じられたのではないでしょうか。

私も健さんの映画を見て、あんなにかっこよく生きられたら、なんだか痺れてしまいそうだと思ってしまった一人です。

その健さんの「座右の銘」とは・・・

「寒青」なのだそうです。

「かんせい」と読み、漢詩の一言なのだそうです。

「寒青」とは「冬の松」を表す言葉だそうで、凍てつく風雪の中で木も草も枯れ果てているのに、松だけは青々とした葉をつけて寒風に堪えている

一生のうち、どんな厳しい中にあっても、自分はこの松のように青々と、そして活き活きと人を愛し、信じ、触れ合い、楽しませるようにありたい。

       ≪ 『旅の途中で』高倉健 新潮文庫 ≫

健さんは、なんだかこの漢詩のように生きた方のようなイメージがあります。

確か辰巳拓郎さんでしたか。

辰巳さんは「知足」(ちそく)という言葉を「座右の銘」にされておられました。

「知足」とは、足るを知る、という意味です。

足るを知るとは、己の分をわきまえて、それ以上を求めないこと。分相応のところで満足すること。なのだそうです。

語源は「老子」の33章における「足るを知る者は富む」という一説です。

老子の本を先日、手に入れました。「老子・コンプリート」という本です。

サブタイトルに「真の賢者は「道」に従う」と書いてあり、痺れました。

私も今年、59歳になります。

特に「座右の銘」を懐に忍ばせることもなく、目の前の事象に惑わされながら、あっちにふらふら、こっちにふらふら生きてまいりました。

沢山の失敗や反省ばかりが想い出となってこれまで生きてまいりましたが、私もそろそろ「座右の銘」を一つぐらい持って生きていく方が良いように感じています。

今は便利な世の中ですので、ネットでいろいろ検索できます。

しかしネットで検索した言葉をそのまま自分の「座右の銘」にしてしまうようでは、なんだか思慮に欠けるといいますか、人として浅い感じが否めません。

その結果、なんとか自分の言葉で「銘」を作ってみることにしました。

(まだ人様にお披露目するような言葉は見つかっておりませんが・・・)

ただ、やはり高倉健さんのように、ちょっと影がある感じで「不器用・・・」な感じがあったほうが、なんとなく魅力的な感じがいたします。

しかしここで私は思うことがあります。

やはり、男は、「器用」よりも「不器用」な方が良いのでしょうか。

「器用」で思い出されるのが、NHK Eテレ(教育)の「つくってあそぼ」のワクワクさんです。

誠に残念ですが2013年3月に番組は終了してしまいましたが、子供と一緒によく視聴しておりました。

ワクワクさんの素晴らしい手さばきは、私と子供のこころをしっかりと捉えておりました。

ワクワクさんの横で花を添えていた「ゴロリ」も、山下画伯を演じる芦谷雁之助さんのような髪型だなぁと思いながら観ておりましたが、味のある良い番組だった印象に変わりはありません。

それでは高倉健さんとワクワクさん、「座右の銘」を持つにあたり、どちらを参考に・・・・。

自分では健さんに強く憧れてしまうものの、これまの人生で、どなたからもそのような雰囲気の言葉をいただいたことが御座いません。

その反面、よく言われるのは

「店長、また眼鏡を曲げちゃった。悪いね。直せるかなぁ・・・」

と、お声がけを頂き、その都度、私は様々な眼鏡を直してまいりました。

私はそんな時、

「自分は・・・、自分は、器用ですから・・・、直せると思います。」

そう申し上げながら、沢山の眼鏡を直してまいりました。

結果、眼鏡屋さんとしては、それでよいのだと思っております。

これからも、どんな修理でもお気軽にご相談くださいませ。

誠実にご対応させていただきます。

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