前回の続きです。
前回は近視レンズはレンズの構造上、目が小さく見えてしまうことをご説明させて頂きました。
「目が小さく見えてしまう」というのは勿論、相手から見た状況のことを申し上げている訳です。今回は眼鏡を装用しているご本人からは、どのように見えているのでしょうか。
実は光の屈折の状況は前回と全く同じなため、度の強い近視矯正用の眼鏡を装用しますと、対象(外の世界)はどうしても小さく見えてしまいます。
これは前回もお話しましたように、近視レンズの内側と眼の「角膜」との距離が広がるほど、対象になる景色は小さく見えてしまうわけです。
(この距離を角膜頂点間距離と呼んだりします)
これも前回申しましたが、この作用(景色が小さくなってしまう現象)をほとんど取り除くことが出来るのが、コンタクトレンズになります。
ではコンタクトレンズは万能なのでしょうか。
実はコンタクトレンズだけに頼った生活を長期間続けてしまいますと、困ったことが起こる場合がございます。
それは何らかの原因で視力の矯正を眼鏡で行わなければならなくなった時です。
例えば、眼の角膜に炎症をおこしてしまった場合、眼科の先生から「しばらくの間はコンタクトレンズを使用しないでくださいね」と、ご指導があったりします。
また花粉症の時期は眼がゴロゴロしたり、つい目をこすったりしてしまうことがあり、コンタクトレンズでは不便を感じてしまうこともあると思います。
そんな時、仕方ないから眼鏡で乗り切るしかないか、と昔の眼鏡を出してきて装用したりすることもあると思います。
ところが装着してみるとくらくらして歩けない!、と仰る方がたまにいらっしゃいます。
これは眼鏡が古いからとか、眼鏡レンズの度数が合わなくなっているから起こる現象ではなく(稀にそのような場合もありますが)、コンタクトレンズばかりを5年も10年も使用しておりますと、外の世界が縮小されて見えるという現象に、体(脳)の方が慣れていない為だと考えられます。
例えば一日の中で、朝の30分・・・
寝る前の1時間・・・
この時間帯だけでも、コンタクトレンズを止めて、眼鏡での生活を習慣にしていただきますと、くらくらして歩けないという現象は、ほとんど起きなくなったりします。
(それでも現象が抑えられない場合、必ず眼科の先生に診察していただきましょう)
またコンタクトレンズを長年愛用されていらっしゃるお客様は、しっかり外の世界が見える状況を眼鏡にも求められる場合がございます。(視力は1.2以上でないと不満が残ります・・・など)
近視の度数が強いお客様は、矯正を強くしますと、眼鏡特有の違和感が強くなってしまいますので、可能であればコンタクトレンズよりもやや緩い矯正にされた方が、使用しやすい眼鏡になると思います。
また、これは当店からのご提案ですが、先に申し上げましたように一日の中で短くてもよろしいので眼鏡の時間を作って生活していただくことが、快適なコンタクトレンズ生活にも有用であると思います。
ご参考にして頂けましたら幸いです。